Today’s Theme is:“大人なら” Jazz
こんにちは
今日も私のブログを訪ねて下さってありがとうございます。
今日の曲ははじめてお聞きになるでしょうか?
切ない大人のバラード、
My Old Flame
です。
まずはタイトルの意味ですが、”Flame”は「炎」。
つまり私の古い炎=過ぎ去った恋です。
私とこの歌との出会いは横浜の古いジャズクラブ。私が出る時にはよく聴きに来てくれていた
カナダ人の Paul が教えてくれました。Paulは当時60代だったと思いますが、いつもウイスキーとタバコを離さず(笑)、休憩時間には私にも飲み物をとってくれ、一緒に飲みながらお喋りを楽しんでいました。
余談ですが Paulは腕のいいバーテンダーが居るお店でのみ、マンハッタン= “Manhattan with 2 cherries” をリクエストしてチェリーをひとつ私にくれるのがお約束でした。
「カクテルの女王」マンハッタン。
そんなとあるライブの日、いつものように Paul と私は休憩時間にお喋りをしていたのですが、ふと会話が途切れ二人とも黙ってウイスキーのグラスを傾けていました(マンハッタンではなかった・笑)
その時にバックに流れていたのがこの “My Old Flame” だったのです。
それを聴いていた Paul が “Oh, I love this song” と言ったんです。
いつも私は「リクエストはない?Paulさん?」と聞いていたのですが、彼はいつも遠慮していたのか(?)「ううん、君の好きな曲を聴きたいよ」と言っていたので私はずっとPaulさんの本当に好きな曲は何だろう?ぜひそれを歌いたいと思いつづけていたんです。
そしてついに分かったのがこの “My Old Flame” だった、という訳です。
これで Paul に喜んでもらえる!と私は嬉しくなってすぐに譜面を書きました。
スッと心に入ってくるメロディーと切ない歌詞にもとても惹かれ、それ以降この歌は私のレパートリーとなりました。
前置きが長くなりましたが、概要を見ていきましょう
概要
”My Old Flame” は1934年、Arthur Johnstonにより作曲、Sam Coslow により映画 “Belle of the Nineties” のために作詞されました。
主演はあのセックス・シンボルとして大人気だったメイ・ウェスト、そしてバックはデューク・エリントンオーケストラ、という当然ヒットすべき(?)曲だったと想像できますが、
即大ヒット、というわけではなく、今日のようなジャズ・スタンダードとなるまでには少々の年月を要しました。
ちなみにこの↓ダリの有名な作品のタイトルは
『メイ・ウェストの部屋』です。
歌詞概要
※このテーマでは著作権保護のため、歌詞(英・日共)は掲載せず
適正な引用のみでお届けしております。どうぞご了承くださいませ。
限られた表現の中ではありますが、歌の世界を楽しんで頂けましたら幸いです。
『私の胸の中の炎。
もう彼の名前も思い出せないけれど。
新しい恋人たちにもたくさん出会ったけど、彼ほど素敵な人はいなかった。
みんな「彼の偽物」だった。
あの人があれからどうしているのか…
知る時まで私は元には戻れない』
以上のような内容になっています。
(ここからは私の意見ですが‥)
「もう名前も思い出せないけど」なんてウソ、嘘。
今でもずっと忘れられないんです。
だからこそこの歌を歌っているわけで、
心の炎がいつまでも消えないから他の男たちが偽物に見えるわけです。
それを隠して切ない昔を歌っているので
過去のあるシンガーにはぴったりでしょう(笑)。
それでは曲を聴いてみましょう
参照動画
ビリー・ホリディ
エラ・フィッツジェラルド
いかがでしたでしょうか?
とある評論家は
”ビリー・ホリディの枯れたような歌に比べるとサラ・ヴォーンは少し歌い過ぎている印象がある”
と評していましたが、まさにこの「歌い過ぎない」というのがひとつの大きなポイントではないでしょうか。
是非あなたらしい素敵な My Old Flame を歌って下さいね
あ、ちなみに Paul は今も元気で飲んでます!(笑)。
See you next time!