先日
断り切れない事情でとあるライブに行った。
悪影響を受けないためにも望まない音楽は聴かないようにしているのだが(笑)、
大人の事情でそうもいかない時もあるのだ。
そういった意味ではその日はとても大人な夜であった。
その店は派手好きなママが若い美人ボーカルをメインに、芸能人崩れみたいな異形の歌い手もよく入れている。
声優とか、ちょっとテレビに出てくる文化人で趣味でジャズを歌っているような人である。
そんなわけでその日の私の足取りは重かった。
ライブが始まった。
登場したのは懐かしい「かっぱのかあたん」に似たけっこう年配の女性。
かあたん。
さすが声の仕事(声優だそう)をしているだけあって声量があり、発声が明瞭である。
しかし!想像して頂きたい。
声量があって明瞭なスウィングしていない歌を・・・
私は思い出すのを止められなかった。
友近が演じるあの演歌歌手を。
それとか役者じゃないタレントが「座長」と名乗って三度笠かぶって立ち回りをしている姿を。
お芝居だけではなくて舞踊やら歌謡ショータイムもあるやつ。
要は何をやっても器用で人を逸らさない。
でも内容のほうは・・・まあいいや(笑)
かくしてかあたん座長は次々と喋り、大きな声で歌った。スウィングしていないジャズナンバーを。
パフォーマンス慣れしていて器用なだけに、それはジャズクラブというよりは慰問の営業のようであった。
”早く終わってほしい” ”早く帰りたい”
私はそう祈り続けた。しかし、
毒喰らわば皿まで。
違和感の塊をジャックダニエルで流し込みながら、なぜか最後まで見てしまった。
まったく聞かせどころがないのに最後まで見せる。凄いワザである。
私の完敗であった。
これが”座長”の実力か。。
泣きながらアンコールの拍手をする俺だった・・・
See you next time!