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ジャズ詞と私ーFly Me To The Moon

(F)

Today’s Theme is : “大人なら” 上手に言い換えて…

 

こんにちは

今日も私のブログを訪ねて下さってありがとうございます。

 

今日の曲はついに来た

Fly Me to the Moon

です

 

“Fly Me to the Moon”1954Bart Howard(バート・ハワード)により書かれた曲です。

この名タイトルの名曲、もともとは “In Other Words” (=”言い換えると”)というタイトルでした。

素敵な風貌のバート・ハワード。心の中にはいつもコール・ポーターが住んでいて、一緒に作曲をしていたそうです。

 

さてこの “Fly Me to the Moon”、発表されてすぐに今のような世界的・歴史的ヒットになったわけではなく、いくつかの経緯があってじわっ、じわっ、と来た、という感じかと思います。

そんなサイドストーリーと共にお届け致します。

 

覚えてもらえてない?

どうも関係者やミュージシャン達の間でこの “In Other Words” という呼び方が全然浸透しなかったらしいんです(笑)。

「覚えてよ…」

 

どうしてもみんな、 “あ、あの Fly Me To The Moon~”ね、みたいに言うので、ついに出版元がこれを直したそう。折れました。

 

ありますよね、タイトルではなく歌詞の別のところの方が目立っちゃってるやつ。

「夢想花」じゃなくて「飛んで飛んで飛んで飛んで回るやつね!」って言われちゃうみたいな。。

違うけど。

 

歌詞、変えて?

サイドストーリーその2は、出だしの印象的な歌詞 “Fly me to the moon~” の部分についてはなんと

”ここ、変えてくれ”と言われていたんです!

どう変えて欲しいかと言いうと、

『”Fly me” ではなくここは “Take me” でしょ!?』と言われていたこと!

(確かに”私を月まで飛ばして” よりも”私を月に連れて行って”の方が通りはいいと思いますが)

 

しかしハワードはこれを断固拒否したので、今の世界的・歴史的な歌い出し Fly me to the moon~ は生き残ったのです!

ああ良かった!

試しに “Take me to the moon~” と歌ってみて下さい。

[fla:i]の音の大きな広がりがなくてとてもじゃないけど月まで飛べそうもないですね(;^_^A。

何はともあれ、ハワードが私みたいに「そうだよね~、ゴメンゴメン、すぐ変える!」というタイプじゃなくて良かったです(笑)。

 

 

シナトラ&アポロ計画

サイドストーリーその3は大きな転機でした。

「アポロ計画+シナトラの録音

当時アポロ計画(1961~)で沸いていたアメリカでシナトラのこの歌が売れないはずはありませんよね。

そして当然のごとく見事に大ヒット、というわけです。

 

そして1999年 Songwriters Hall of Fame “Fly Me To The Moon” “Towering(=非常にすぐれた) Song” に認定しました。

なんかルー大柴みたいになっちゃったけど、要は「殿堂入りしました」って事です💦

 

それでは歌詞を見ていきましょう

 

歌詞概要

※このテーマでは著作権保護のため、歌詞(英・日共)は掲載せず

 適正な引用のみでお届けしております。どうぞご了承くださいませ。

 限られた表現の中ではありますが、歌の世界を楽しんで頂けましたら幸いです。

 

『私を月まで飛ばして。他の惑星の春を見てみたいな

私の心を歌でいっぱいにして。そして私にもっともっと歌わせて

…これって言い換えると I Love You なんだけどね!』

 

という風変りなお願いがいくつも出てくる歌なんです。

例えば:

私を月まで飛ばして ⇒ 私の手を握って、キスしてって意味

私の心を歌でいっぱいにして ⇒ あなたを愛してるって意味

というちょっと「不思議ちゃん」の告白なのです。

だから元々のタイトルが「言い換えると」なんです。

ちょっとこれはね~言い換えてあげないとカレシわからないよ!!(笑)。

 

ところが!

これは歌手がしっかりヴァースを歌うことで謎が解けるのです。

そのヴァースの内容は:

『詩人って簡単なことを言うのに大袈裟な言葉を使うのよね

私もあなたの為に歌を書いたの。ちゃんと解るように訳してあげるわね:

“Fly me~”』

と始まるのです。

 

そう、つまり

「今からちょっと伝わりにくい歌をあなたにプレゼントするから解るように訳してあげるね」と説明している歌なんです。

だからこその “In Other Words” (=言い換えると) だったんです。

 

そしてもう一つ。

 

歌詞(フランス語バージョン)

“In Other Words” ならぬ “In Other Language” 版もあるのです。

それはフランス語。

私もライブで歌っていましたし、CDにも入れました。

 

ただ、

フランス語版は英語の歌詞に忠実ではなく、内容がけっこ~う違います。

厳しく言えば「替え歌」と言われても仕方ないかも。

もしかしてフランスには著作権管理団体みたいなものがなくてこういうのでもOK!なのかもしれませんね。

 

参考までにそのフランス語バージョンの歌詞をご紹介しますね:

 

『月に向かって飛ぼう

アポロに乗って土星とその輪へ向かって

金星と火星に向かって飛ぼう

ちがう言葉で言って、「私を愛してる」って

 

タクシーを呼ぼう

別の銀河に向かって 他の場所に行ってみよう

私達のような人々がいるかどうかを見てみよう

 :

バスに乗って冥王星と天王星に行こう

北斗七星の上にも行こう

 :

散文でも詩でも あなたが宇宙でただ一人私が愛している人。

そう言わせて』

 

どうでしょう?

全然違いますよね。さすが大らかフランスメルシー。

 

さて、それではそろそろ曲を聞いてみましょう

 

 

参照動画

フランク・シナトラ

ヒットの大きなきっかけフランク・シナトラバージョンです

ビッグバンドとのご機嫌 Swing。

 

 

アストラッド・ジルベルト

イントロやエンディングなど日本の女性ボーカリストのイメージソースになっているのはこのアストラッド・ジルベルトによるボサノババージョンだと思います。

 

映像は私も大好きな「バーバレラ」。ほとんど全編ジェーン・フォンダですが、時々申し訳程度に映る静止画がアストラッドです(笑)。

 

トニー・ベネット

先ごろ亡くなった素晴らしい歌手、トニー・ベネットによる録音。

是非美しいヴァースからのスローバラードをお聞きください。泣ける…

 

宇多田ヒカル

これは『エヴァンゲリオン』と言った方が若い人には通ると思います、宇多田ヒカルバージョン。

こちらもヴァースをちゃんと歌っています。

ヴァースは3拍子である点にご注目。

 

最後はフランス語で歌う

ジュリアン・クレルク

です。

私は一度聴いてやられました。すごく素敵なんだけどその割にはYouTube再生回数少ないなぁ…

 

 

おまけに私のも聞いてね

Naoko(貞吉なおこ)

横浜の老舗バー Norge でのライブ演奏です。ソロ明けはフランス語で歌っています。

最後が「ジュテーム」で終わるのが好き♥

ギター 鷲尾公太  パーカッション 坂尾勝利

 

※Spotify Channel 『ジュリー・なおこの Jazzy Chill Out』~#1-3 ”リクエストの多いボーカルジャズの曲” でもお話しております。是非聞いてくださいませ♪

 

いかがでしたか?

3拍子、Swing、バラード、ボサノバ…様々なアレンジが可能なこの曲ですから、

是非あなただけの素敵な Fly Me to the Moon を歌って下さいね!

 

 

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