小説８０５０

連休はいかがお過ごしでしたか？

読書の秋、ということで私は本を一気買い。

その中で面白かったのがこちらの

今さらですが林真理子さんの

「８０５０」（ハチマルゴーマル）。

でした。

そう、”８０５０問題”が題材になっています。

8050問題（はちまるごーまるもんだい）とは、80代の親と50代の子どもが同居し、子どもが長期間引きこもり状態にあることから生じる社会問題です。

生活困窮や介護の課題が深刻化する問題を指します。

具体的には、50代の子どもが就職せず、または就職後に辞めて引きこもり状態となり、

80代の親が高齢になっても経済的・生活的に支え続けている家庭が増えている、という状況を指しています。

実話ではなくフィクションではありますが、細かい設定を取り外したら

けっこうどこにでもある問題として「あの人のウチも・・」と思い当たるような

リアルに気が重くなるようなストーリーです(;^_^A。

私の選ぶ「後味悪い作品書く作家Best３」に入る林真理子さんなので

途中の希望のなさとリアルな描写に心萎えそうにもなるのですが、

それを上回る読ませワザにまたもや一気読みしてしまいました。

林さんの小説は（特に女性が主人公の場合は）登場人物のちょっとしたイジワルさ、

マウントの取り合いの描写が読む人の嫌な所を反射する鏡になって

それが後味の悪さにつながっているのですが、なぜかクセになるんですね（笑）。

８０５０は男性が主人公なので、

いつもの毒気がセリフや独白に単純に描かれていないぶん深みがありました。

おすすめ！

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