Today’s Thene is : ”大人なら” Jazz
こんにちは
今日も私のブログを訪ねて下さってありがとうございます。
本日の曲は
毎日の暮らしの中のちょっとしたモノ、事に別れた人を思い出してしまう…
そんな忘れられない人への想いを綴った歌です。
These Foolish Things (Remind Me Of You)
です。邦題は『思い出のたね』。
概要
1936年、Eric Maschwitz(エリック・マシュヴィッツ=Holt Marvell(ホルト・マーヴェ
ル)というペンネーム)により作曲、
Jack Strachey(ジャック・ストレイチー)により作詞されました。
今でこそ多くの優れたプレイヤーに愛されている名曲ですが、
発表されてすぐに売れたわけではありませんでした。当初、エージェントはこの曲を
リリースするのを拒んだのです。
それでも時と共にこの曲の魅力が認知されるようになり、1936年のベニー・グッドマンや
テディ・ウィルソン w/ ビリー・ホリディのバージョンあたりからヒットしたのでした。
この These Foolish Things はメイフェア・ソングとよばれるスタイルで、
(※ メイフェア・ソングの定義は現在調査中です)
”Nightingale in Berkeley Square” もこれに含まれます。
ちょっと面白いトリヴィアとしては、
作曲者マシュヴィッツの妻は「これは私か、もしくは女優の Anna May Wong
のために書かれたものなの」と言っていたそうですが、
実は女優で歌手の Jean Ross をミューズとして書かれたものだったようで。
結構傷つくやつです。チーン。
Anna May Wong
Jean Ross
閑話休題。
それでは詞を見ていきましょうか
※このテーマでは著作権保護のため、
歌詞(英・日共)は掲載せず、
適正な引用のみでお届けしております。
どうぞご了承くださいませ。
限られた表現の中ではありますが、
歌の世界を楽しんで頂けましたら幸いです。
まず悩ましいのはタイトルの “Foolish” ですが、
乱暴に「馬鹿げたもの」なんて言ってしまっては情緒がゼロですから
「つまらないもの」、「何でもないもの」「ちょっとしたもの」
と言いたいですよね。
さて、歌の出だしは
『口紅のついたタバコの吸い殻、
ロマンティックな街への航空券…
こんなちょっとした(Foolish)物を見るたびに君を思い出してしまう』
タバコに口紅の跡がついていたり
飛行機が紙のチケットだったり…
懐かしい時代をイメージさせる歌詞が一気に
昔に連れて行ってくれます。
その他の「君を思い出させるモノたち」としては
こんなものが挙げられています:
・隣のアパートメントから聞こえるピアノ
・鳴り続ける電話のベル
・長い電報
・ダンスへの招待状
・7フランの野イチゴ
・グレタ・ガルボの微笑み
・ビング・クロスビーの歌
・物悲しい蒸気船(*)の音
etc.
__________________
(*)
「物悲しい蒸気船の音」の “Wail of steamer” を
「物悲しい蒸し器(のシューシューいう音」にしている人が
居ましたが(本当の話)それだとフランスじゃなくて
中華街の肉まん食べ歩きみたいですから!
それはいいとして…(;^_^A
いかがでしょうか?
見るもの、音楽、香り、味…
全てに消せない思い出がありすぎて、今もまだ囚われているのですね。
忘れられないのです。。
実話っぽくて、私はこの歌詞にいつも感情移入してしまいます。
歌詞が多くて歌手には大変な曲ですが、
それゆえ、とめどなく溢れる言葉たちが
それぞれのシーンを映画のように再現してくれています。
そしてこの一編のせつないストーリーが、
聴く人を「今、ここではないどこか」に連れて行ってくれる。
そこがこの歌の魅力だと思うのです。
演奏する時は、この長ーい詞の全てを歌わなくても良いので、
好きな部分を3コーラスぐらい歌えば良いと思います。
全部歌うと「金太の大冒険」のようになってしまいます。
または季節によって入れ替えてみるのも素敵ですね。
私は1,2番と歌い、~ソロ明けは最後の “The scent of smokin’ leaves..” のところを歌っていました。
以下の動画を参考にご自分の好きな部分や曲の長さを決めてみてはいかがでしょうか?
ヘレン・メリル
ジェーン・バーキンとジミー・ロウルズ
セロニアス・モンク(インストゥルメンタルですが是非)
マイケル・ブーブレ
ロッド・スチュワート
Live版を選んでみました!
フランス語バージョン (ces petit choses)
いかがでしたか?
是非あなたらしい素敵な歌を歌ってくださいね