こんにちは
今日も私のブログを訪ねて下さってありがとうございます。
本日の歌は「とっくに書いた」と思っていました(;’∀’)
My Funny Valentine
です。
My Funny Valentine は 1937年に Richard Rodgers(リチャード・ロジャース)と Lorenz Hart (ロレンツ・ハート)により作詞・作曲され、ミュージカル Babes in Arms『ベイブス・イン・アームス』で発表されたショー・チューンです。
そしてその後に代表的なジャズ・スタンダードのなったのはご存じの通りです。
左が L.Hart、右が R.Rodgersです。お二人とも素敵。
二人の共作には
・I Could Write a Book
・The Lady Is a Tramp
などがあります。
さて、今回の曲、My Funny Valentine についてお話するにはやっぱり元となったミュージカル、Babes in Arms のお話をしたほうがよさそうです。
しばらくお付き合いくださいませ。
Babes in Arms ストーリー(舞台版)
まずこの Babes in Arms、「青春一座」という邦題で日本でも上映されました。
下の挿絵がなんとも可愛いですね ^-^
物語の舞台は、アメリカのとある小さな町。主人公のミッキーの両親は俳優(旅役者)です。
旅役者という仕事では両親は十分に稼げなかったため、子供達は自分で自分の世話をせざるを得ませんでした。キツイ。
というわけでミッキーは自力で食べていくために仲間たちとショービジネスを立ち上げようとしたのです。
しかし、そこにはたくさんの問題が立ちはだかります。
まず、そんな”不良”ミッキー達を施設に入れようとする地元の大人たち。
そして資金不足、仲間との葛藤。
それらの困難に立ち向かいながら最後にはショーを大成功させる彼らの物語となっています。
こういった”子供たちがショーを成功させる物語”はその後多く見受けられるようになりましたが、元はこの Babes in Arms でした。
ヒロインはあのジュディ・ガーランドです。
さてこのミュージカル、劇中劇のショーは大成功したわけですが、実際の舞台はどうだったのでしょうか?
資料によりますと1937年4月14日に年NYのシューベルトシアターでスタートし、お約束のセミヌードショーガールの出演のおかげで最初こそセールスは良かったものの、289公演を終えた同年 1937年12月18にその幕を閉じています。
これが長いのか短いのか私にはとんとわからないのですが、劇団四季の Cats が40年以上やって11111回を超えたというニュースを見ると、1年以内というのはなんか短い気もします。
さて、この辺からやっとリチャード・ロジャースとロレンツ・ハートが出てきますよ。
この Babes in Arms の音楽を担当していた二人は、この劇そのものを手掛けたいと考えるようになり、音楽のみならず脚本まで書きはじめ、キャストや振付師も集めました。そんなことをして良かったんだろうか?当時のショービジネスは大らかだったのかもしれないですがそのへんの事情は不明です。
ではいよいよ劇中で My Funny Valentine が使われた場面についてお話したいと思います。
当初、2人の音楽は劇中での小さな場面でのみ使われており、My Funny~ だけがメインストーリーの重要な場面で歌われたのです。
場面はビリーという少年が彼の新しい恋人、”Val”(”Valentine” を短くした呼び名)に向けて歌うシーン。
実はこの Valentine という登場人物が先にあっての My Funny Valentine ではなく、曲に合わせてリチャード・ロジャースとロレンツ・ハートが役名を Val に変えたというのが本当のところなのです。『愛と誠』かっ!
つまりはそれほどにこの曲を劇中で生かしたい!という思いが強かったのでしょうね。
わたしゃてっきり Valentine という言葉は Sweetieとか Sugar みたいに「私の大好きな人」と呼びかける言葉だと思っていましたが、ちゃんとモデルとなった人物(役名ですが)があったとは!
ちなみに女性をValentineと呼ぶのはあまりなくて、Valentina のようが一般的です(英語圏)。
さて、次は映画版についてです。
Babes in Arms(映画版)
まずは衝撃の事実から。
なんと「映画版 Babes in Arms では My Funny Valentine は使われていません!」( ゚Д゚)オヨ!
舞台版ではあんなにがんばったのにナゼ…・゚・(ノД`)ホロリ
まぁ、舞台と映画では内容が大きく異なることはよくあり、その一例と言ってしまえばそうなのですが、まさか役名を変えてまで使ったあの曲が使われなかったとは!
それを決めたのが誰なのかは解りませんが、この大失態をカバーするために My Funny Valentine は他の映画の中で使われました。しかしもう遅い。
本当ならばあのジュディ・ガーランドが “My ~Funny Valentine~”と歌うはずだったわけですから、
この「幻の歌」は本当に大きな損失となってしまいましたね。
後半はいよいよ楽曲と歌詞について