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ジャズ詩と私ーBeyond the Sea(La Mer)

(B)

こんにちは

今日も私のブログを訪ねてくださってありがとうございます。

 

本日の曲は隠れた人気曲

Beyond the Sea(La Mer)

です。

 

どうですか?

シンガーの皆様、リスナーのお客様

この曲のこと、ちょっと忘れていませんでしたか?

言われてみれば確かにど有名だし、いい曲なんだけど、あまり演奏の現場に出てこないんですよね。

実際リクエストされた事もないし、セッションやレッスンでやるわけでもない。

 

サザンで言うと『気分次第で責めないで』? 違ったらすいません。

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さて、 Beyond the Sea に戻りまして

私はこれをとある機会に歌った際、70代位の男性のお客様から

「僕の年代のために選曲してくれたんだね、よい曲をありがとう」とお礼を言って頂きました。

その事がとても印象に残り、それ以来急に大切になった(笑)曲なのです。

 

それでは今日はそんな Beyond the Sea のストーリーをご紹介してまいりましょう

 

 

概要

Beyond the Sea(ビヨンド・ザ・シー) は、1946年にフランスの歌手、Charles Trenet(シャルル・トレネ)により La Mer(ラ・メール)として作詞作曲され、その後Jack Lawrence (ジャック・ローレンス)が英語詞をつけた楽曲です。

世界的ヒットはそれからだいぶ時間が経った1960年の Bobby Darin(ボビー・ダーリン)の歌唱によってでした。

甘いマスクのボビー・ダーリン。ジェームス・ディーンがイケメンの代名詞だった頃のスタイルを感じますね。

どちらも若くして亡くなったのが惜しいです(ボビー・ダーリンはなんと享年37歳)。

 

さて、英語詞については、これを書いたジャック・ローレンスのこんな言葉が残っています。

 

「1946年にトレネは僕のニューヨークの家に “La Mer” の録音を持ってやってきて、『君にこれの英語詞を書いて欲しい』と言ったんだ。

それまでも彼のヒット曲に英語詞をつけてはいたよ。

この La Mer についてはそのままの翻訳はしなかったよ。というのも僕のフランス語はハイスクールレベルだったしね(笑)。

でも実のところは、フランス語どおりの訳はとてもクリエイティブとは思えなかったから

自分の一部になるまで何度も何度も曲を聴いた。詞を書き出したのはようやくそれからだったんだ。

La Mer のありきたりでないメロディーはとても気に入ったんだけれど、フランス語の歌詞には興味をそそられなかったんだ。海、そして海について彼がどう感じたかが僕には”違う”と思えた」。

 

なるほど…それではその二つの詞を見てみましょう

(著作権保護のため英語詞は概要となっております。どうぞご承知下さいませ)

 

<フランス語歌詞>

海よ
澄んだ入り江に踊る金色の輝き
海よ

その輝きを変える雨の下に

夏の空のひつじ雲に

天使のごとき青い海は羊飼い

 

見てごらん

岸辺に茂った背の高い葦を

白い鳥と古びた家を

海よ 

愛の歌のようにその澄んだ入江に揺らしておくれ

私の心を

 

<英語歌詞>

この海の向こうのどこかに

恋人が待っている

金色の砂の上で船を眺めながら

鳥のように飛べたなら今すぐ飛んでいくのに

 

星の向こうのように遠く、月の向こうのすぐそこ

心はたちまちそこに飛んでいく

 

波辺を超えて僕たちはまた会えるだろう

あの頃のようにキスを交わそう

そして二度と離れることはないさ

 

 

Etc.

いかがでしょう?

内容的にはシンプルになりましたが、“Beyond” というキーワードを効果的に散りばめたり、

ぐっと高い音になる部分には “Star” というワードを当てはめたりと、効果的な演出が光るスムースで歌いやすい歌詞に仕上がっているのはさすがだと感じます。

何より原語の出だしの “La Mer~” の響きを捨てて “Somewhere~” にしているものの、 広がりのある “e” の響きをそのまま持たせているあたりはさすがと言わざるを得ません。ま、私にさすがと言われても嬉しくないですけど(笑) 。

 

さて、ローレンスの言葉に戻りましょう。

「それから思ったのは、彼の曲はどれも渋い、交響曲的な雰囲気があるという点。僕はそれを違うストーリーにしたかった。

海によって離れてしまった恋人たちのロマンティックな詞にね」

 

こうしてできた素晴らしい Beyond the Sea だったのですが、冒頭に書いた通り、ヒットまではかなりの時間を要したのです。

ある日、独特のスタイルの若いシンガー、ーもっと言うと小生意気なヤツーが出版社にやってくるまでは…。

その男こそボビー・ダーリンだったのです。

彼は臆面もなく『俺はシナトラみたいなスターになるんだ』と吹聴していました(目ざわりなヤツだったでしょうね)。

 

ある時 “Beyond the Sea” のコピーを渡され、どう思うか尋ねられると彼はこう答えました:

『曲は悪くないと思いますが、絶対的にビートが欠けていますね』

これでまた大人たち、イラっと来ただろうな(笑)

 

そして数か月後ボビー・ダーリンが送って来たアルバムには小気味よく、つま先でリズムを取りたくなるようなビートの “Mack the Knife”“Beyond the Sea” が録音されていたのです。つまりめっちゃ良かった、と。

またまたイラっと来ただろうな・・・

イメージ図。『そこ、やるんだ!?』

 

イラっとしながらも誰もが、ボビーのお陰でこの2曲はメガ・ヒットとなったと認めざるを得ませんでした。

 

 

※そんなイラっとくるボビー・ダーリンの数奇な生涯については別途書きたいと思います。

 

 

参照動画

 

・まずはもちろんボビー・ダーリンをどうぞ

 

 

・原曲のCharles Trenet(シャルル・トレネ)

 

・ロッド・スチュワートのスマートなスウィング

 

 

 

ここでも聞けます

いかがでしたか?

メガ・ヒットとなったゆえ、多くのシンガーにカバーされているのはもちろんですが、

映画の世界でも大変好まれており、多くのシーンで使用されています。

 

まずはそのままタイトルにもなっている『ビヨンド the シー 夢見るように歌えば』

ボビー・ダーリンの生涯をケヴィン・スペイシーが演じています。

ケヴィン・スペイシーはボビー・ダーリンにずっと憧れており、いつか彼を演じたい、と思っていたので気合も入ったのでしょうね!この作品でオスカーを獲っています。パチパチパチ。

 

その他

『普通じゃない』、『アポロ13』、『オースティン・パワーズ ゴールドメンバー』、『ブラック・レイン』、『ダイナー』、『グッドフェローズ』、『フォード・フェアレーンの冒険』などの映画、『X-ファイル』(エピソード「海の彼方に」)、『LOST』、『ホワイトカラー』、『THE BLACKLIST/ブラックリスト』などのテレビドラマにも使われています。

 

ロマンティックな場面に限らず、怖い場面やバイオレンスシーンで流れたりするのもままあり、美しいメロディーとヤバい映像のコントラストが刺激的です。

 

ナチュラルにさり気なくか、ヤバさのコントラストにするか。。。

ぜひあなたらしい素敵なを歌って下さいね

 

 

See you next time!

 

 

 

 

 

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