Today’s Theme is : “大人なら” Jazz歌おう。
こんにちは
今日も私のブログを訪ねて下さってありがとうございます。
今日の曲は激シブ
Born To Be Blue
です。
この曲に関して案外知られていない面白い逸話はないかな?
と調べてみましたが、ありませんでした(笑)。
星の数ほどあるジャズの名曲の中では、そこまで注意を引く歌ではないのかもしれません。
でもその中に隠れた暗くメランコリックな味わいを是非感じてしてみて下さい。
概要
“Born To Be Blue” は1946年、Mel Tormé(メル・トーメ)と Robert Wells(ロバート・ウェルズ)により作られた曲です。作曲は共作、作詞はメル・トーメです。
メル・トーメについてもう少し。
メル・トーメ(Mel Tormé)は、アメリカのジャズミュージシャン、歌手、作曲家です。
10歳の時には既にプロのシンガーとして活動を始め、多くのジャズスタンダード曲やポピュラーソングをカバーし、さらに作曲家としても活動しました。魅力的な素晴らしい高音とスムーズな歌声は是非下のリンクで聞いてみて下さいね。
代表曲には、(以下、YouTube リンクです。音出ます)
・The Christmas Song (By Mel Torme)
・Lullaby of Birdland(By Sarah Vaughan)
などがあります。
いずれも超・名曲ですね。私も全部歌っていました。
さて、話はまた “Born To Be Blue” に戻りまして、
実は私、この曲に邦題があったのは知りませんでした!
調べていくうちに、邦題=『ブルーに生まれついて』でネットでヒットしたのですが、
これは恐らく最近のことで、2015年の映画、『ブルーに生まれついて』(原題: Born to Be Blue)以降ではないかと思います。
これは2015年のカナダ・イギリス合作の伝記ドラマ映画で、ロバート・バドローが監督と脚本を手がけイーサン・ホークがチェット・ベイカーを演じています。
イーサンはこの映画のためにトランペットと歌を練習しており、ペットの当てぶりはサマになっていると私は感じました。また、歌についても映画の中で実際にチェットばりのイーサンの歌唱が採用されています!
Check this out!
それでもやはりこの曲は「知らない」という方も多いかと思います。
通好みのシブ系ではありますよね
確かに日本のジャズクラブでは自分以外に歌っている人を聴いたことはありません。
さて、ここで少し視点を変えまして
一般的に言われるところの『歌がヒットする3つの要因』を見てみましょう
- 魅力的なメロディ
- 聞く人を引き込む歌詞
- 優れた演奏
です(プラス”魅力的な演者”も当然ありますが)
この “Born To Be Blue” はこれら3つ全てが揃っているのに、全部に「超・暗い」がつくのがいけなかったか…?
この「超・暗い」問題については以下の私の体験が物語っております。
かつてとあるCMに出演させて頂いた時、取材の中で監督に
「次に歌いたいと思っている曲は何?」と聞かれ、私はこの “Born To Be Blue” を挙げました。
早速YouTubeを開いて聞いた監督の一言:
「やめてこれ」(笑)。
その時監督と見た参考画像がこちらです。
代表的なチェット・ベイカーによる演奏
やっぱり『やめてこれ』ですかね‥
TV向きではないですね確かに。
では次に女性シンガーによるバージョンはいかがでしょう?
日本では “You’d Be So Nice To Come Home To” の名唱で非常に人気のあるヘレン・メリルによるものです。”ニューヨークのため息” という彼女のキャッチフレーズをお聞きになればわかる方もいらっしゃるのでは?
年配になってからの演奏でリリース同時よりキーは下がっていますが+シンプルなピアノとのデュオにも関わらず豊かな情緒が感じられ静かに圧倒されます。
歌詞概要
※このテーマでは著作権保護のため、歌詞(英・日共)は掲載せず
適正な引用のみでお届けしております。どうぞご了承くださいませ。
限られた表現の中ではありますが、歌の世界を楽しんで頂けましたら幸いです。
『クローバーに囲まれて生きる人もいるけれどそれは選ばれた少しの人。
私は緑のクローバーなんて見たことがない。だって私はブルーに生まれついたんだもの』
と始まる歌詞は、
”幸せなんて全く知らない自分だけれど、あなたを愛したことだけが私が生まれたこと以上に意味があったの”
と、”今、ここに愛がない辛さ・悲しさ” を歌っています。
この歌を歌う時、悲しいけれどやさぐれた泥臭さではなく、黒いガラスのような透明な闇を私は感じます。
冷たく美しい悲しみに閉ざされた硬質な静謐さとでも言いますか、ブルースとはまた違った嘆きです。
いかがでしたでしょうか?
レパートリーに加えてみたくなったのでは・・・?
是非歌ってみて下さいね
暗いけど。
<譜面はこちらから>